フッ素塗布で虫歯予防ができるってホント?危険性の有無についても解説

子供の虫歯予防として有名な治療に「フッ素塗布」と呼ばれている方法があります。この方法は歯に「フッ化物」を塗布することで虫歯予防とするのですが、なぜフッ素を塗布するだけで虫歯予防になるのか、その正確なメカニズムを知らない人も少なくありません。本記事内にてそのメカニズムを詳しく解説していきます。

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フッ素塗布とは何か?

 

一般的なイメージとしては、「フッ素が歯にコーティングされ、虫歯から健康な歯を守る」という感じです。しかし、実はそこまで単純なものではなく、もっと「虫歯対策」として有意義な効果を発揮してくれるのです。

小児の虫歯予防として広く利用されている

フッ素塗布は、子供の虫歯予防として広く用いられています。歯を削って虫歯を治療する方法と比較して恐怖心が薄れ、リラックスして治療を受けられるという点が大きなメリットになります。

また、そもそも子供の歯というものは大人の歯と比較して歯の質が弱く、虫歯の影響を受けやすいという点もフッ素塗布が利用されている理由となります。特に、生えたての乳歯・永久歯に対しては大きな効果を発揮してくれることでしょう。

1回あたりの費用が安い

さらに、フッ素塗布は1回あたりの治療費が安いということも、利用し安さを手助けしています。1回あたりの費用は数100円~1,000円程度と、非常にリーズナブルです。また、年齢制限等の条件付きで、フッ素塗布を無料で実施しているという歯医者も存在します。

自宅でもフッ素で虫歯予防ができる

フッ素は、自宅でも利用できるほど身近な存在でもあるのです。「フッ素入り歯磨き」「フッ素配合ジェル」といったデンタルケアグッズを購入すれば、自宅での歯磨き時に歯医者でのフッ素塗布ほどではないにしても、相応の効果を得ることができるでしょう。

フッ素塗布のメリットは?

次に、フッ素塗布を利用することがどういった理由で虫歯予防に効果を発揮するのかということについて解説します。

再石灰化を促す

そもそも虫歯とは、虫歯菌が作り出す酸性の物質が歯の表面のエナメル質を溶かし、最終的にその奥の象牙質や神経にまで及ぶことで痛みをもたらし、歯の神経を駄目にしてしまう病気です。しかし、虫歯菌というものはそもそも人間であれば誰もが持っているものであり、健康な歯の持ち主でも日々この虫歯菌の脅威にさらされています。

それでも虫歯ゼロで過ごせる人も少なくないのは、溶かされたエナメル質が「再石灰化」により再生しているからです。虫歯菌の酸で溶け出たミネラルは、唾液の働きによって元の状態に戻されます。この再石灰化が酸によるミネラルの溶け出しに追いつかなくなると、次第に虫歯が進行してしまうのです。

フッ素塗布を行うことで、この再石灰化の働きを促すことができます。唾液中にフッ素イオンが存在している場合、溶け出たミネラルが歯のエナメル質に再吸収されやすくなります。これにより、初期の虫歯を改善し、以降の虫歯予防にも効果を発揮してくれるのです。

歯を強くする

さらに「歯を強くする」という効果も期待できます。フッ素塗布によって再石灰化が促されるのですが、その際にフッ素は他のミネラルと一緒に歯のエナメル質に結びつきます。その結果「フルオロアパタイト」という頑丈な構造を作り出し、虫歯菌に対して強い歯に生まれ変わるのです。

つまり、フッ素塗布は歯の再生を促すだけでなく、再生した後の歯を虫歯に強い構造に変化させる働きも持っているということになります。これにより、再石灰化を果たした歯はしばらくの間、虫歯に対して抵抗力を持つことになり、虫歯の再発予防に大きく寄与することになります。

虫歯菌の活動を抑える

フッ素塗布のメリットはそれだけではありません。フッ素には、「虫歯菌の活動を抑える」という働きも備わっています。前述の「歯を強くする」というメリットと合わせて、虫歯予防・再発防止において大きな役割を担うことになるのです。

フッ素には、虫歯菌の「酸の産出量」を抑えるという働きがあります。虫歯の原因は虫歯菌が出す酸であるため、この働きを抑制できることは虫歯予防において大きな効果を発揮するということになります。既に歯はフッ素の結合により虫歯に強い構造になっており、加えて虫歯菌による影響も少なくなっているため、虫歯予防という観点において高い効果を発揮するのです。

フッ素塗布に危険性は無いの?

これだけ虫歯に対する高い効果を期待できるフッ素塗布ですが、効果の高い医療に対しては「副作用」などを危険視することは当然です。では、フッ素塗布は何か人体に悪影響を及ぼすことはないのでしょうか?

フッ素は毒物!?

ご存じの方もいるかもしれませんが、実はフッ素は過剰摂取による中毒症状のリスクを持つ物質でもあります。主な症状としては吐き気や嘔吐といった急性症状で、少なからず人体に悪影響を及ぼす可能性がある物質であることは理解しておかなければなりません。

また、フッ素の種類によっては、歯の変色を引き起こす可能性があります。また、知覚過敏症を患っている人の場合、それを悪化させる可能性もあります。吐き気や嘔吐とは異なり、フッ素塗布を行う口腔内の症状であるため、より現実味のある副作用としてそのリスクを重大視してしまう恐れがあります。

もちろん、私達が日常生活で口にする機会のある薬物やその他の物質でも、何らかの副作用や不快な症状を及ぼす可能性があることは否定できません。しかし、前述の通りフッ素塗布は特にお子さんの虫歯予防および初期虫歯治療に用いられる事が多い治療法です。お子さんに対して、人体へのリスクが及ぶ可能性があるフッ素塗布を用いるということには、どうしても抵抗を感じずにはいられないでしょう。

通常の使用法であれば問題はない

とは言え、実はフッ素に対してそこまでの警戒心を持つ必要は無いのです。例えば人間にとって必要不可欠な「酸素」だって、濃度が高ければ毒となります。同様に、実はフッ素もその複合体としての存在は自然界にとってありふれた存在であり、川や海、土中にも存在します。もちろん、そうした環境にある動植物はフッ素を取り込んで生きており、食用のそれらについては人間も食しています。

フッ素塗布において使用されるフッ素は、いわゆる「フッ化物」と呼ばれる物質であり、純粋なフッ素ではなくフッ素をその構造内に持つ化合物に過ぎません。つまり、フッ化物はフッ素を含んでいるというだけであり、純粋なフッ素と比較してその毒性は極めて小さなものとなります。

さらに、そのフッ化物を用いてのフッ素塗布、および歯磨き粉などに含まれるフッ素に関しても、その濃度が人体において毒性を発揮するほどの高濃度なものではありません。つまり、よほど多量のフッ素を誤飲しない限り、フッ素を原因とした中毒症状その他の副作用については、その危険性は限りなく小さなものであると言えます。もちろん体質などによっては通常の使用法でも何らかの副作用が生じる可能性は否定できませんが、そこまで神経質になる必要もないということは理解しておくべきでしょう。

結論:歯医者でのフッ素塗布の安全性は非常に高い、安心して利用できる

特に歯医者で受けることになるフッ素塗布は、プロの手によってその安全性が保証されているものです。歯磨き粉やジェルタイプのフッ素配合のデンタルグッズにおいてもその配合量は制限されていますし、虫歯予防におけるフッ素塗布やフッ素関連のデンタルケアは安全なものとして利用できます。

不安な場合は、歯医者でフッ素塗布を受ける前に十分な説明を求めましょう。フッ素の安全性や万一のリスクに関して、丁寧な説明を受けられるはずです。メリットの多い治療法なので、安全性を理解して積極的に利用したいところです。

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